【医療介護の注目ニュース 2016年10月31日号】 在宅患者向け調剤-宅配便で薬 他

このシリーズは、先週一週間の医療・介護経営に関するニュースの中から編集部が特に気になった記事“BEST5”を紹介しています。

 

在宅患者向け調剤-宅配便で薬

調剤薬局大手のクオールはヤマトホールディングスと組み、自宅などで療養する患者に処方薬を届ける新しい仕組みをつくると発表した。
店舗から調剤作業の一部を切り離し、専用拠点に集約し、調剤した薬を宅配便で届けるというもので、店舗で働く薬剤師の業務負担を軽減し、専用設備がない店舗でも重症の在宅患者に対応できるようにする。
在宅患者が療養に使う薬は通常、医師の処方箋を受付けた店舗の薬剤師が調剤から配送、服薬指導までを担っている。
新たな仕組みが軌道に乗れば、1店舗当たり薬剤師1人分の業務軽減につながり、人件費を2割程度抑えることができるとみている。
また、末期がんなど重症の患者の薬を扱うためにはクリーンルーム(無菌調剤室)が必要になるが、専用拠点を設けることで在宅調剤を手掛けていなかった店舗やクリーンルームのない店舗でも多様な患者の処方箋の受付けが可能になるというメリットもある。

厚生労働省が3年に1回まとめる「患者調査の概況」によると、2014年の在宅患者は1日当たり15万6400人(推計)といわれている。
在宅患者向けの診療報酬を上積みするなど政府は対策を進めているものの、慢性的な薬剤師の不足が続くなか、在宅調剤にまで手が回らないという調剤薬局は多い。
クオールはヤマトとの取り組みによって、薬剤師の不足に対応するとともに重症患者にも対応できる在宅調剤のネットワークづくりを目指している。

出典:日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO08700170T21C16A0TJC000/

 

国民への普及啓発に向け「全国在宅医療会議」が発足

政府の社会保障制度改革本部に設置された「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」は、2025年に居宅や介護施設、高齢者住宅などで在宅医療等による対応が追加的に必要になる患者が29.7万~33.7万人程度になると推計している。
しかし、高まる需要に対して在宅医療の担い手が足りていないのが現状となっている。
このため、関係団体や研究機関・学会・住民などで構成される「全国在宅医療会議」が発足し、国民に対して意識の改革を求めていく。
会議では、在宅医療の特性を踏まえた適切な臨床評価指標のあり方、在宅医療の普及啓発に向けた効果的な情報発信の方策などについて検討する。
入院患者の中には在宅医療への移行を望む人が少ない現状を踏まえ、適切な臨床評価指標を用いて在宅医療の特徴やメリットを分かりやすく国民に啓発し、在宅医療を普及させたい考え。

出典:日経デジタルヘルス
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/327413/102600034/?ST=health&n_cid=nbptec_tectw

 

精神保健指定医49人と指導医40人資格取り消し発表

厚生労働省は26日、精神障害者を強制的に入院させるかどうかを判断する精神保健指定医の不正取得に関わったとして、指定医49人とその指導医40人を資格取り消し処分にしたと発表。
医道審議会は、処分が出る前に指定医の辞退届を出した6人と資格申請中の4人を合わせた99人を不正と認定した。
今後、医師法に基づき全員に医業停止などの行政処分も検討される。
いずれも資格取得に必要な症例リポートを、自身が診察していないのに同僚のリポートを使い回して国に提出し、これに対して指導医も確認を怠った。
これにより、複数の自治体から措置入院や精神科救急の態勢などで「影響が出る可能性がある」と懸念する声が出ているという。

出展:毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20161027/k00/00m/040/084000c

 

介護現場に外国人受け入れ拡大-法案が衆院通過

介護現場などで働く外国人の受け入れ拡大につながる「外国人技能実習制度の適正化法案」と、「出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正法案」が25日衆院本会議で可決した。
政府は今国会での成立を目指しており、両法案は今後、参院で審議される。
適正化法案が成立して施行されれば、政府は技能実習の対象職種に新たに「介護」を加える方針。
また入管法の改正では、日本で介護福祉士の国家資格を得た外国人を対象に、「介護」の在留資格を設ける。
介護現場で働く外国人は、経済連携協定に基づいてインドネシアなど3カ国から来日した人に限り、2008年度から受入を行ってきた。
ただ、現地での学歴などの条件があるほか、国内にとどまるには4年目に介護福祉士の資格を得る必要があり、昨年度までの合格者は累計402人となっている。

出展:朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASJBV26MBJBVUBQU001.html

 

東日本大震災で住宅損壊、認知症リスク増

米ハーバード大などの研究によると、東日本大震災で住宅の被害が大きかった高齢被災者ほど認知症の症状が進んでいたことがわかった。
災害後は心的外傷後ストレス障害(PTSD)だけでなく、認知症にも配慮する必要性があるという。
研究チームは、2010年8月に宮城県岩沼市の65歳以上の高齢者の生活や健康状態について調査していた。東日本大震災発生後のが2013年10月に追跡調査し、3594人の回答を得たという。
生活自立度で、震災の前後の変化をみたところ、震災前に認知症の判定を受けていた人は4.1%だったが、震災後は11.5%に増えていた。
住宅が大規模半壊した人は、被害がなかった人に比べて認知症の症状が進み、全壊した人はさらに進む傾向があったことが確認できた。
影響は歩行時間の減少や脳卒中の発症より大きかったという。

出展:朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASJBS3FG3JBSULBJ002.html

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