【ニュース振り返り】診療報酬・介護報酬改定の方針、詳細が明らかに!2018年1月のニュース5選

2018年1月に起きた医療介護のニュースをプロアスオフィシャルブログ編集部が振り返り、その中から特に気になったニュース5選をご紹介します。1月度は、18年度診療報酬改定について、評価の詳細が明らかになりました。そんな1月のニュースを一気に振り返ってみましょう。

かかりつけ医・遠隔診療が加算対象に!診療報酬改定の詳細が明らかに(1/10)

2018年度診療報酬の改定について、方針の詳細が中央社会保険医療協議で明らかになりました。

今回の変更点について少しだけご紹介しましょう。まず、かかりつけ医機能を持つ医療機関の初診が加算対象となることが示されました。外来医療において、一般的な外来を受け付けるかかりつけ医と、紹介を中心とした高度な医療を提供する大病院とで役割を明確に分けることが目的とされています。また、これに関連して、紹介状なしで受診した場合、初診では5000円、再診では2500円の定額料金を支払うことが義務付けられる「大病院」の範囲が、現行の500床以上から400床以上に拡大されます。

そして、情報通信機器を利用した「遠隔診療」についての報酬が新設されることになりました。対面診療とオンラインによる診察を組み合わせた、治療計画を作成した上で診察を行うなどの要件を満たした場合、オンライン診療料として加算されます。これまで診療報酬の低さが普及の足かせとなっていた遠隔診療ですが、これをきっかけに利用が広がると期待されています。

加算点数の詳細などは2月以降公表されるとのことです。診療報酬改定については、今後のブログでも詳しくご紹介する予定です。

厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会(第382回) 議事次第

「自立支援」がポイント!介護報酬改定の詳細が明らかに(1/26)

4月から適用される新しい介護報酬についての詳細を、厚生労働省が公表しました。

以前ご紹介した通り、介護報酬については全体で0.54%引き上げられるとの方針がすでに示されています。今回は点数の詳細が示され、介護を受ける方の自立支援や、重度化を予防する機能訓練に取り組む事業者が評価される仕組みとなっています。例えば、医師や外部のリハビリ専門職などと連携して自立支援計画を策定した場合や、特別養護老人ホームなどで排せつ介助を行った場合は加算されます。

また、「看取り」や終末期の看護についても明記されており、特養で配置医師が夜間、早朝などに訪問診療を行った場合や、看取りを行った場合は加算されることとなっています。さらに、人材確保に配慮し、夜勤の際の業務効率化の一環として、見守り用の介護ロボットを使用した場合は加算されるとされています。

一方、訪問介護において掃除・洗濯・買物・調理などをサポートする生活援助サービスについては抑制されるなど、メリハリをつけた評価となる予定です。

厚生労働省:第158回社会保障審議会介護給付費分科会資料

人生の最期をどのように迎えるか。終末期医療指針の改定案が明らかに(1/17)

厚生労働省は2007年に制定された終末期の医療指針の改定案を、「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」で提示しました。

2007年に制定された「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」では、医師等が患者に情報の提供と説明をし、話し合い、患者本人が意思決定し終末期医療を進めることが最も重要な原則である、と示されています。今回が初めての改定となりますが、改定案でもこの原則には変更ありません。しかし、患者の意思が変更する可能性を考慮し、十分に話し合いを行うことのほか、介護施設、自宅など病院以外の場所でも適用できるように変更されています。

内閣府の調査によると、高齢者の54.6%が自宅で最期を迎えることを希望していることから、現在厚生労働省は、全ての高齢者ができる限り自宅など住み慣れた環境で安心して生活できるよう、在宅医療を推進しています。しかし、在宅医療を行う診療所数は全体の2割程度にとどまっており、この実現に向けた環境の整備が急がれています。今回の改定もその一環と考えられます。今後、2月にパブリックコメントを実施し、今年度中に正式なガイドラインとして制定される予定です。

厚生労働省:第4回 人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会

内閣府:平成24年度 高齢者の健康に関する意識調査結果

厚生労働省:医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況

医師にも働き方改革を。労働時間短縮に向け、緊急対策の骨子が示される(1/16)

医師の働き方改革について検討するために設置された厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」で、これまでの議論について中間整理結果が公表されました。平成30年度末を目途に検討会の最終報告をまとめる予定とのことです。

今回公表された「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」の骨子案では、全6項目が取り組むべき項目として示されており、タイムカードなどで管理されていない職場でも労働時間を適切に管理する「医師の労働時間管理の適正化に向けた取組」や、「36協定の自己点検」、医師の負担軽減のために他職種への業務委託を促す「タスク・シフティング(業務の移管)の推進」、出産などのライフステージでも女性医師が活躍できるようサポートする「女性医師等に対する支援」などが挙げられました。

また、労働時間については、厚生労働省が定める、脳・心臓疾患の労災認定基準である「2~6カ月平均で月80時間」を上回らない範囲におさめるべきとの意見が上がっています。ただし、労働時間を短縮することによって、提供する医療行為の質が下がることも懸念されており、今後慎重な議論が必要になりそうです。

過去の厚労省の調査では、勤務医約 23 万人のうち、病院勤務医、特に 20 代・30 代の男女、40 代までの男性医師が長時間となっていることがわかっています。医師が過労死したり、健康を害したりするケースも起きており、安全で質の高い医療を提供するためにも、医師の労働環境を改善することが求められています。

厚生労働省:第6回医師の働き方改革に関する検討会 資料

インフルエンザ、大流行。統計開始以降最多の患者数に(1/26)

インフルエンザが全国で大流行しています。国立感染症研究所の最新の調査結果(1月15日~21日)で、全国約5000の定点医療機関の報告数は51.93となり、全国の患者数は推計約283万人となります。前週の26.44から大きく増加しており、現在全ての都道府県でインフルエンザ流行警報が出されています。また、1医療機関あたりの報告数(51.93)については、統計を開始した平成11年以降、最多となるとのことです。

今シーズンの流行の特徴は、インフルエンザA型とB型が同時に流行していることで、これが大流行の原因と考えられます。例年、A型が先行した後、B型が流行するケースが多いそうですが、現時点ではそれぞれが同程度の割合で検出されているとのことです。

インフルエンザは主に飛沫によって感染することから、予防には外出後の手洗いが有効です。また、無自覚のうちに感染していることも考えられるため、咳やくしゃみが出るときには、ティッシュやマスクなどで飛沫を抑える咳エチケットを心掛けましょう。

国立感染症研究所:インフルエンザ流行レベルマップ

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