【2018年注目】最新のIoTヘルスケアサービス5選

3月も終わりに近づいて、2017年度もあっという間に終盤ですね。インフルエンザ大流行、診療報酬・介護報酬同時改定など、医療にまつわるニュースが目白押しな年度でした。今回は、昨年から今年にかけて登場した「ヘルスケア関連サービス」から、特に注目したい新サービスを編集部がピックアップ。ポイントをご紹介していきます。

【その1】遠隔診療サービス「YaDoc(ヤードック)」(株式会社インテグリティ・ヘルスケア)

まず一つ目は、株式会社インテグリティ・ヘルスケアが提供する「YaDoc(ヤードック)」。2018年1月9日から全国で提供が開始されています。

ビデオチャットによって表情や声色で診断する「オンライン診療」のほか、スマートフォンから患者のバイタルサイン、生活情報、運動量などを確認できる「モニタリング」、診療ガイドラインに沿った定型の問診表を、診察前に患者に記入してもらうことで主訴をもれなく把握できる「オンライン問診」の機能を備えています。通常の診療では得られにくい情報でも集積できる点が特徴です。

また「YaDoc」は、超高齢化社会に対応するためのプロジェクト「福岡100」のひとつとして、福岡市、福岡市医師会と協働して2017年4月から市内の医療機関で実証実験を行っています。自治体、医師会、企業が協働したケースとしても注目されています。

「YaDoc(ヤードック)」ウェブサイト

【その2】センサーで排尿を予知「DFree(ディーフリー)」(トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社)

二つ目は、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社の排泄予知デバイス「DFree(ディーフリー)」。2017年から介護施設での利用が開始され、7月からSOMPOケアネクストが運営する全国の介護施設に導入されています。

下腹部にセンサーをつけることで膀胱の動きを測定し、排尿のタイミングが近づくとタブレットやスマートフォンなどの端末に通知される仕組みで、職員が排尿のタイミングを事前に把握することができます。また、適切なタイミングでトイレに誘導できるようになることから、利用者の排尿についてのストレスが減ったり、自立排尿できるようになったりと様々な効果が期待できます。

現在は、介護施設向けの販売のみとなりますが、今後在宅介護へ販路を拡大するほか、排便予知システムの開発も進めているとのことです。

「DFree」ウェブサイト

【その3】ウェアラブル端末で機能訓練をサポートする「モフトレ」(株式会社Moff)

三つ目は、株式会社Moffが2017年8月から提供を開始した「モフトレ」。腕時計型のウェアラブル端末「Moff バンド」を手首や足首につけ、体操やレクリエーションなどでの運動データを記録します。記録したデータをもとに、トレーニングや機能訓練のプログラムをリアルタイムで作成することができます。

モフトレのポイントは、運動結果を「見える化」できること。具体的に把握しづらい運動の成果を、職員が簡単に把握することができるようになり、プログラム作成、記録に伴う職員の負担が減るほか、利用者のモチベーションアップにもつながります。そしてモフトレが提供するプログラムは「個別機能訓練加算」に対応しているため、介護報酬として施設が評価されることも大きなポイントです。

また、「Moff バンド」を活用した第2弾サービスとして、リハビリを受けている方の身体機能を記録する「モフ測」が2018年3月13日に発売されています。

「モフトレ」ウェブサイト

「モフ測」ウェブサイト

【その4】ウェアラブル端末で救急対応&健康管理ができる「セコム・マイドクターウォッチ」(セコム株式会社)

四つ目は、セコム株式会社が2017年7月7日から販売を開始した「セコム・マイドクターウォッチ」。リストバンド型のウェアラブル端末を活用したサービスで、「セコム・ホームセキュリティ」のオプションサービスとして提供されています。

特徴は、端末を利用して自宅内外問わず救急対応ができること。体調を崩した際に、リストバンドからセコムに緊急通報できる「救急ボタン」、突然意識を失って転倒した場合に自動通報する「転倒検知」、外出時であっても身体の動きが一定時間検知できない際に自動通報する「安否見守り」の3機能を備えています。

また救急対応に加えて、リストバンド型端末から活動量や食事、睡眠の状態を記録し、アドバイスを受けることができる、「健康管理」ができることも特徴です。

「セコム・マイドクターウォッチ」ウェブサイト

【その5】音とアプリで素早く、効率的に見守り「居住者の見守りソリューション リモートモニタリングサービス」(富士通株式会社)

最後にご紹介するのは、富士通株式会社が2018年1月下旬から提供を開始した「居住者の見守りソリューション リモートモニタリングサービス」。室内に設置したセンサーで「音」を分析し、異常があった際にはコールセンターを経由して家族へのお知らせや駆け付けを行う「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE 居住者の見守りソリューション」を拡充するサービスとして誕生しました。

「リモートモニタリングサービス」の特徴は、職員自身が異常時のアラームを確認できることで、より素早く、効率的に見守りを行うことができます。例えば、室内で一定時間生活の気配がない状態や、異常音の発生などを感知した場合には、職員にアラームが通知されます。アラームは職員自身がWebアプリで確認することができるほか、スマートフォンのメールで通知されるため、駆けつけ対応も素早く行うことができます。また、複数のスタッフに同時に通知することもでき、定期巡回数の調整やスタッフ間での情報共有などもしやすくなります。介護職員の負担軽減や、人手不足の解消に役立つと期待されます。

富士通株式会社2018年1月9日付プレスリリース:遠隔見守りで迅速な対応と介護スタッフの業務効率化を実現する「リモートモニタリングサービス」を提供開始

まとめ

今回は最新のヘルスケアサービスをまとめてみました。最近はウェアラブル端末を利用したサービスがたくさん登場し、ヘルスケア業界でもIoT活用の傾向が強く見られました。今後はどのような新サービスが誕生するのでしょうか?とても楽しみですね!

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