病院・クリニックも文書を電子保存する時代へ。HyMarks DARTSで実現する電子ファイリング

厚生労働省より2005年3月に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が公開(2008年3月に第3版に更改)され、医療分野で発生する文書の電子保存要件が示されるようになりました。現在は一定の要件を満たす場合は医療情報を外部保存することも認められるようになっています。

電子カルテ化が進む一方で、病院・クリニックの内部に残る様々な“紙”媒体の存在。これらの二重管理の課題を解決するため「e-文書法(※)」への対応が求められています。今回はファイリングシステムHyMarks DARTSを交えてご説明いたします。

※e-文書法とは
情報技術(IT)が企業の事業活動に幅広く浸透したことで、従来の紙文書中心の業務は、電子化文書中心の業務への移行が進んでいます。電子化文書は共有や検索、回覧などが容易なため、紙文書と比較して組織の業務を円滑に遂行でき、事務効率を大幅に向上できるというメリットがあるためです。そこで電子化文書やITの活用をさらに促し、企業競争力を高めるための一施策として、2005年4月1日に「e-文書法」が施行されました。
経済産業書HPより引用
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/e-doc/guide/nyumon1.html

病院・クリニックを悩ませる紙媒体

病院・クリニックには様々な紙媒体が存在します。

まず、患者さんの住所や氏名、性別や病名、主要症状や治療方法が記載されているカルテ(診療録)は、医師法第24条にて5年間の保管が義務づけられています。

近年では電子カルテシステム等の導入によって電子保存をおこなっている病院・クリニックも珍しくなくなってきました。

しかし、カルテの電子化が進んでいっても、実際はまだまだ多くの“紙”の文書が病院・クリニックには存在しています。

各科診療日誌や処方箋、紹介状や退院時の要約などは医療法施行規則の第20条から22条にかけて2年間の保存義務が定められていますし、検査の所見記録やエックス線写真も同様です。それ以外に病院職員の雇用や健康に関する文書などもあり、電子カルテシステムの導入だけでは紙媒体をなくすことは難しいのが実態です。

 

電子ファイリングシステムの導入と成功のコツ

紙媒体をなくす解決方法の一つに、電子ファイリングシステムを導入するといった手法があります。

患者さんが持参してくる紹介状や院内で発生する手術の同意書などの紙媒体を人の手によってスキャナーで取り込み、電子化するシステムです。この作業によって大半の紙媒体を電子化することが可能です。

しかし400~500床の病院では、このような紙が毎日およそ1,000枚程度発生しており、電子化していく作業もスキャンセンターという組織を構築して対応されることが多く、その手間やコストも膨大になってきています。

取り込んだスキャンデータに対して文書種別の分類を付与したり、該当する患者IDとの紐づけをしたりする作業に一手間かかってしまうことが負担になっていますが、電子ファイリングシステムによって、このような負担を軽減する工夫が可能です。

例えば、システムから患者さん用の帳票を発行するときに用紙に必ずバーコードを付与し、この紙が誰に何の用途で使われるものかを埋め込んでおくことで、スキャン作業時に自動的に対応するファイリングシステムが判断し、的確な場所に格納してくれる。という仕組みがあります。

こうした工夫ひとつで現場の運用の手間を軽減し、コスト削減ができますので、システム導入を検討する際には現場ノウハウを豊富に持っていて、なおかつ積極的に運用負荷軽減のアドバイスをくれる導入ベンダを選定することが、成功のカギです。

電子ファイリングシステムの大きな効果とは

電子ファイリングの導入で一番期待される効果が“情報共有の円滑化”です。

しかし、病院・クリニック内で理想的な情報共有の体制を作るには、放射線、検体検査、生理検査、薬剤等、あらゆる部門の情報を連携する必要。

つまり、すべての部門で電子化の必要があるのですが、全ての部門をシステム化するのは予算的に難しいと判断される病院・クリニックが少なくありません。

ここで一つ、プロアスでも取り扱っている、「HyMarks DARTS」というファイリングシステムを紹介させていただきます。

「HyMarks DARTS」はシステム未導入の部門が従来通り紙報告書で対応しても、それをスキャンすることで情報共有が可能となります。

また、部門システムから出力される帳票やFileMaker、Excelで作成したレポートをPDFで出力して頂く事で簡単に保存することができます。

紙を出力することなく、PDFファイルのやりとりをシステム的に行うことで、人の手によってスキャンするという作業をしなくても良くなります。これはかなり大きな利点ですね。

加えて高額だった部門システムの導入費用や連携費用も軽減する効果もあり、ファイリングシステムの活用方法によって、大きなメリットを享受することができるのです。

ゴールはファイリングシステムにデータを集める事ではない

紙媒体をスキャンしたりPDFデータをファイリングシステムに格納したりするだけでは、病院・クリニックの課題は解決されません。この状態ではまだまだ「紙が原本」という事になり、毎日発生し続ける文書の保管場所に頭を悩ませることに変わりはありません。

文書の長期保存に対応するには、公開鍵証明書やデジタル署名、タイムスタンプといったキーワードが出てきますが、「HyMarks DARTS」では、これらに対応した運用を構築することができ、紙媒体を廃棄しファイリングシステム上のデータを原本として取り扱うことが可能になっています。

HyMarks DARTSは病院・クリニックの文書電子化のひとつの答え

電子ファイリングシステムへの理解は深まりましたか。

紙媒体のスキャンに始まり、紙を発生させないしくみづくり。また格納したデータをいかに簡単に取り扱い迅速に閲覧することができるか。これらも非常に重要なポイントとなってきます。

しかし多機能なシステムも、手の届く費用と運用コストでなければ病院・クリニックで採用し効果を発揮することはできません。

今回、私どもが電子ファイリングシステムとしてHyMarks DARTSを推奨する大きな理由がここにあります。システムの機能や効果をご理解されながらもまだ導入することができない。その理由の多くが“コスト”です。HyMarks DARTSは業界後発ならではの工夫により安価なご提案が可能になっております。

電子ファイリングシステムにご興味があり、導入をご検討でしたら是非私どもにお声がけくださいませ。

 

writer
プロアス メディカルソリューション部 加藤亮一

病院・クリニックへの課題解決の部門です。セミナー開催や出張デモなどによって新たな気づきをもたらしてまいります。プライベートではオートバイで全国を回り、まだ見ぬ地への訪問を楽しみにしています。

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