コスト削減の手助け ~助成金・補助金を受給するまでの流れを知ろう!~

前回の「コスト削減の手助け ~病院や介護施設運営で活用できる助成金・補助金を知ろう!~では、病院や介護施設の運営において実際に活用できる助成金・補助金を紹介しました。活用できそうなものは見つかりましたでしょうか?

今回は「トライアル雇用奨励金」をピックアップし、申請から受給までの流れを紹介します!実際に活用する際のことをイメージしてみてくださいね。

 

 

トライアル雇用奨励金とは?

トライアル雇用奨励金とは、安定的な就職が困難な求職者をハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により常用雇用へ移行することを目的に一定期間試行的に雇用する事業主に対して支給される助成金です。

トライアル雇用期間があり、互いに納得した上で雇用契約を結ぶことができるため、ミスマッチを防ぎ、離職の防止にもなります。またハローワーク等に求人登録することで人材採用にかかるコストの削減にもなります。

まずは前提である受給条件を確認しましょう。

 

<受給条件>

  1. トライアル雇用対象労働者をハローワーク等の紹介により雇い入れること
  2. 対象労働者に対して原則、3ヶ月トライアル雇用を行うこと
  3. 1週間の所定労働時間が原則30時間を下回らないこと

…など他にも細かい条件があります。詳細については各地のハローワーク等のページを確認する必要があります。

 

受給するまでの6つの手順

おおまかな流れはこのようになります。

トライアル雇用を開始してから、受給に必要な申請を行うまでの期間は原則5ヶ月です。
そして支給申請後、3ヶ月以内に奨励金が支給されます。

 

では、実際に受給するまでに何をするべきなのか?手順を追って説明します。

 

① ハローワーク等に求人を登録する

 ⇒”トライアル雇用”である旨を記載した求人票を提出します。

 

② 対象労働者を雇い入れる

 ⇒ハローワーク等より紹介されたトライアル雇用対象労働者を雇い入れます。

 

※対象者

  • 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する
  • 紹介日時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業に就いていない
  • 紹介日時点の前日から過去2ヶ月以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
  • 紹介日時点の前日で、離職している期間が1年を超えている
  • 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
  • 就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する

(生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者)

 

 

③ 書類を提出する

 ⇒トライアル期間開始日から2週間以内に、対象者の紹介を受けたハローワーク等に実施計画書を提出します。提出時は、労働条件が確認できる書類を添付する必要があります。

 

④ 原則3ヶ月のトライアル雇用を行う

 ⇒週30時間以上の勤務時間で採用します。また、3ヶ月のトライアル雇用期間終了後の採用の可否に関わらず、雇用保険に加入させる必要があります。

 

⑤ 助成金支給の申請を行う

 ⇒トライアル雇用期間の3ヶ月が終了後、翌日から2ヶ月以内に職場を管轄している労働局に”トライアル雇用結果報告書”と”トライアル雇用奨励金支給申請書”を持参して提出します。

 

⑥ 助成金が支給される

 ⇒対象者1人あたり月額4万円が、3ヶ月分(12万円)まとめて一括で振り込まれます。

下記のような場合には支給されませんのでご注意ください。

  • 採用した人の労働時間が週30時間未満の場合 
  • 過去3年間に職場で働いていた元従業員を採用した場合
  • 採用した人が、事業主や役員の3親等以内の親族の場合
  • 助成金対象者を採用する6ヶ月前からトライアル期間終了日までに、雇用保険に加入している従業員を会社都合で退職させた場合
  • 助成金対象者をトライアル期間中に、会社都合で退職させた場合

 

注意すべきポイント

先ほどもありましたが、きちんと条件を満たさないと受給することができません。

特に気をつけるべき、知っておくべきポイントは3つあります。

  1. ハローワーク等に求人登録をする際に、必ず”トライアル雇用”である旨と、受け入れ可能であることを必ず伝えてください。 
  2. トライアル雇用後に労働対象者を雇用することは義務づけられてはいません。後のトラブルを防ぐためにも、 互いに納得した上で雇用契約を結ぶ必要があります。
  3. 雇用期間は原則3ヶ月となっていますが、対象労働者の合意があれば期間を1ヶ月または2ヶ月に設定することも可能です。

 

まとめ

受給するまでのイメージが出来ましたでしょうか?
助成金・補助金はそれぞれ、申請までの流れやかかる期間、労力は異なります。

今後もみなさんが活用できる助成金・補助金の情報を紹介しますので、ぜひチェックしてくださいね。

 

<参考>
■トライアル雇用奨励金(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/trial_koyou.html
■トライアル雇用奨励金のご案内(東京ハローワーク)
http://tokyo-hellowork.jsite.mhlw.go.jp/jigyounushi/trial_koyou.html

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