今年もあとわずか!病院で働く皆さん必見の2016年医療業界5大ニュース!

2016年も残すところ後わずかとなりました。
2016年は医療業界にとってどんな1年だったでしょうか?
今回は医療介護経営オンライン編集部が注目した2016年5大ニュース(医療業界編)をご紹介いたします。

在宅医療における地域格差~地域差3倍~

今年4月に解禁となった「在宅専門診療所」。
2025年に向け、在宅医療の重要性が国の方針としても示されている中、厚生労働省は7月に在宅死や在宅医療に関する全国1741市区町村ごとのデータを公表しました。

この集計結果によると、2014年に在宅死した人の割合は全国平均で12.8%。全国で最も高かったのは伊豆諸島の東京都神津島村で54.8%、2番目は鹿児島県与論町で50%といずれも離島という結果になりました。

2016-12-21_19h18_45また、人口20万人以上の都市では「在宅死」する人の割合が最大で約3倍もの開きがあることが明らかとなりました。
これには、在宅医療の状況が地域により差があり、その影響が出ていると考えられます。
厚生労働省によると、24時間往診対応している「在宅療養支援診療所」がない自治体が28%あり、在宅医療の体制が手薄な自治体で在宅死の割合が低くなる傾向がでています。

 

出典: 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06H7F_W6A700C1CR8000/

 

既往歴・服薬歴を一元管理「PeOPLe」~国民の医療データ統合へ~

厚生労働省は10月、病院での治療歴や健診結果など国民の医療や保健に関する情報を統合した情報基盤を整備することを発表しました。
データベースを「PeOPLe(ピープル)」(仮称)と名付け、2020年度の運用開始を目指す方針を決めました。

過去の病歴や薬の使用状況、健診の結果、介護の必要性などの情報が共有されれば、かかりつけ医以外の医療機関に搬送された場合に適切な治療を受けられる、同じ薬の重複投与を避けられるといったメリットがあります。一方、病気や健診の情報は特に慎重な扱いが求められる個人情報のため、集めたデータの保護の徹底や、万が一流出した場合の対策などが求められています。

出典:毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20161020/k00/00m/040/073000c

 

医療事故調査制度~届出拡大に向け統一基準作成~

全医療機関に対し医療死亡事故を第三者機関へ報告することを義務付けた「医療事故調査制度」が10月で制度開始から1年となりました。
これに対し、日本医師会を中心にした関係機関の協議会が年内に発足し、届け出の統一基準作りを始めることが明らかとなりました。

届出は地域や病院間でばらつきがあり、当初見通しの3分の1以下と低迷しているようです。日医は積極的で迅速な報告を医療機関に促す考えを示しており、統一基準が届け出拡大の後押しになると期待されています。
第三者機関「日本医療安全調査機構」が10月に公表した9月末時点の届出件数は388件で、開始前に想定していた年間1300〜2000件を大きく下回る結果となっています。
医療法が対象を「医療に起因した予期せぬ死亡」としか定めておらず、施設側が事故として扱うことに及び腰になっているのが一因とみられています。

出典:毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20161012/k00/00m/040/073000c

 

医療事故過去6年の集計~薬剤漏出、副作用が半数以上~

日本医療機能評価機構は、抗癌剤に関連した医療事故を調査した報告書をまとめ公表しました。
同機構は、抗癌剤が取り扱いに注意が必要なことや患者への影響が大きいことなどから、関連した医療事故が多く報告されているとし、医療事故については2010年1月~16年3月まで、ヒヤリハット事例については1~3月までの事例を対象に発生状況などを調査しました。抗癌剤に関する事例を継続的に集め、今後も事故の背景などの分析を進めていくとしています。

【医療事故】
 ・1位 薬剤の血管外漏出・血管炎     68件
 ・2位 投与中の状態の悪化(副作用等)  53件

【ヒヤリハット事例】
 ・1位 支持療法の間違い         29件
 ・2位 薬剤の血管外漏出・血管炎     26件

出典:薬事日報
http://www.yakuji.co.jp/entry53736.html

 

入院患者2人が犠牲に…~横浜市大口病院点滴異物混入事件~

今年9月、横浜市の大口病院で点滴を受けた88歳の入院患者など2名が相次いで死亡した事件。その後の捜査で、混入されたのは「ヂアミトール」という外用殺菌消毒剤(成分は「界面活性剤」のベンザルコニウム塩化物)であったことが、さらに、未使用の点滴についているゴム栓にも、注射器によると思われる穴があいているのが判明しました。

これを受け、横浜市は11月に臨時立ち入り検査を行っています。
市は臨時検査の結果、看護師の増員や防犯カメラの増設など計13項目について行政指導を行いました。

行政指導内容の一例
 ・医薬品や注射器を載せる無施錠式の『救急カート』の管理体制改善
 ・ナースステーションが無人にならないよう常駐看護師の増員
 ・入館者に対する面会証の導入
 ・防犯カメラのさらなる増設
  等

また、病院側から職員間で人間関係のトラブルがあったとの報告に加え、院内で殺人事件が起きたこともあり、職員のストレスチェックをするように指導も行われたということです。

出典:産経ニュース
http://www.sankei.com/affairs/news/161030/afr1610300008-n1.html

いかがでしたか?
医療ナンバー、既往歴・服薬歴を一元管理する「PeOPLe」といった医療データの管理に対する協議から、2025年に向けますます深刻化する超高齢化社会に対応するための在宅医療の調整まで、さまざまな問題を抱えている医療業界。

2017年も引き続き検討が進められ、国民が安心して老後を迎えられる住み善い社会となることを願っています。

医療介護経営オンラインでは、来年も病院経営に関する情報を引き続きお伝えしていきます。
御期待下さい。

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