テレビ・ネットなどで聞くことも増えた「IoT」。皆さまも一度は耳にしたことがある言葉なのではないでしょうか。
しかし、そもそもIoTとはどのようなものなのでしょう。何か新しいテクノロジーと想像できますが、具体的に説明するのは少し難しいと思います。
今回は、IoTの定義と、IoTを利用する上での注意点についてご説明いたします。
IoTとはどのようなものか
IoTとは「Internet of Things」の略称で、日本語では「モノのインターネット」と訳されています。様々な「モノ」がインターネットと接続することで、遠隔地から操作したり、データを分析したり、情報を収集したりする仕組みを総じてIoTと呼んでいます。
インターネットと接続する、といえば、身近なものではパソコンやスマートフォンなどが思い浮かびますが、IoTで活用されるのはこれら情報機器だけではありません。エアコンや録画機器、冷蔵庫などの家電製品、自動車、医療機器など、私たちの周りの様々な「モノ」で利用されている技術なのです。
IoT機器の仕組みとは
IoTは、どのような仕組みで働くのでしょうか。身近なIoT機器をご紹介しながら、流れをご説明しましょう。
一番わかりやすいIoT機器といえば、スマートスピーカーです。
直接家電を操作するのではなく、スピーカーに話しかけることによって操作することができます。皆さまも、スピーカーに話しかけると、テレビがついたり、照明が消えたりするコマーシャルを見たことがあるのではないでしょうか。
他にも「スマート家電」と呼ばれる家電製品でも、IoTが活用されています。
メニューの提案や栄養管理をする機能を備えた電子レンジや、外出先から運転のON/OFFする機能を搭載したエアコン、外出先から庫内の食材をカメラでチェックすることのできる冷蔵庫などがこれに該当します。
これらのIoT機器は、以下の流れで動作するようになっています。
- IoT機器のセンサーやカメラが、周辺の音、温度、情報、明るさ、人感などから情報を収集する
- 収集された情報を、インターネットを通じてクラウドに送信。情報が蓄積される
- 人工知能(AI)が、学習内容を基にクラウドの情報を分析し、どのような対応が必要か判断する
- AIの判断結果がフィードバックされ、モノが動作する
仕組みを聞くと少し難しい感じがしますが、実はIoT機器は既にたくさん存在しています。生活の利便性を上げる画期的な存在として取り入れられているのです。
IoT機器の危険性
街中でも家庭など私たちの生活で、既にどんどん利用されはじめているIoT機器。
しかし、先ほどご説明したようにIoT機器はインターネットで接続されており、パソコンやスマートフォンと同様にセキュリティ対策を行わなければいけません。対策を怠ると、悪意をもった攻撃者から様々な攻撃を受けるおそれがあります。
例えば、Webカメラにウイルスを送り込まれた場合、カメラが外部から勝手に操作され、個人情報が盗み出されてしまう、ということが起きるかもしれません。
また、知らない間にIoT機器が乗っ取られ、他のIoT機器をさらに攻撃する「踏み台」となってしまうなど、無意識のうちに自分が加害者になっているパターンも起こり得ます。そして、パソコンやスマートフォンと異なり、IoT機器はウイルスに感染していることに気づきにくいため、対策されないまま長期間放置されやすいという点にも注意する必要があります。
IoT機器のセキュリティ対策
IoT機器ではセキュリティ機能を持つ機器も多くあります。
パスワードも、セキュリティ機能の一つといえます。IoT機器を使用する上でパスワードを使用することもありますが、初期パスワードをそのまま利用してしまうケースが多くみられます。初期パスワードは、同種の機器であれば全て同じパスワードとなり、外部から侵入されやすい環境となってしまいますので、使用前に必ず変更するようにしましょう。
そのほかに、自動アップデート、接続機器制限機能などのセキュリティ機能を備えている機器もあります。どのようなセキュリティ機能があるか、購入前に機器を調査し、把握しておくことが必要です。
また、IoT機器を長らく使っているとメーカーのサポートが終了する場合があります。ソフトウェアのアップデートがされず、外部からの侵入が容易になってしまうので、新しい機器の購入を検討する必要があります。
まとめ:安全で便利なIoT機器のある生活を!
IoT環境は、通信環境の高速化などの理由からどんどん普及しています。
対応する機器が多くなるにつれて、できることも増えつつあり、IoTなしの生活は考えられない!という「IoT時代」を既に迎えたといえるのではないでしょうか。
IoT機器によって、生活の利便性はこれからもっと向上していくことでしょう。セキュリティ対策をしっかり行い、安全で便利なIoT生活を送りましょう!
writer
プロアス ソリューション・システム開発部 福岡哲也(ふくおか・てつや)
新しいプロジェクトに入り、日々新しい事と向き合っています。